生姜ショウガの効用

生姜(Zingiber officinale Roscoe)の根茎は、何世紀にもわたって漢方薬などの伝統医学で広く使用されてきました。生姜はジンゲロールやショウガオールと呼ばれる、生理活性物質を豊富に含んでいます。

ジンゲロールは生の生姜に多く含まれ、ショーガオールはジンゲロールを加熱することによって生まれる成分で、乾燥させた生姜にも多く含まれます。ショウガオールは炭素の数によって10種類以上が知られていますが、炭素数が6の、6-ショウガオールは、6-ジンゲロールが加熱や乾燥などの加工過程で変換されることにより、その濃度が大幅に増加することが特徴です。

ジンゲロール は、抗炎症作用、抗酸化作用、抗腫瘍作用などが報告されています。また、消化促進や吐き気の軽減にも効果があります。ショーガオール は、ジンゲロールと同様に抗炎症作用や抗酸化作用を持つほか、特に抗がん作用や神経保護作用が注目されています。さらに、脂肪燃焼を促進し、代謝を高める効果があるともされています。

中でも6-ショウガオールには強力な抗酸化、抗炎症、さらには抗がん作用があることが明らかにされています。抗がん作用に関しては、パラプトーシス(非アポトーシス型の細胞死)やアポトーシスの誘導、活性酸素種(ROS)の産生増加、オートファジーの促進、そしてAKT/mTORシグナル伝達経路の抑制など、さまざまな細胞内プロセスを通じて効果を発揮すると考えられています。

中華料理では、ニンニクと生姜が欠かすことのできない食材です。生姜を加熱調理することで、さまざまな薬効成分が生まれていることがわかります。生姜を活用して残暑を乗り切りましょう。

Review of the anticancer properties of 6-shogaol: Mechanisms of action in cancer cells and future research opportunities. Food Sci Nutr. 2024 Mar 27;12(7):4513-4533.

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