緑茶に含まれるカテキンの一種であるエピガロカテキンガレート(EGCG)に、新型コロナウィルスの増殖を抑える可能性が報告されています。 EGCGには抗ウィルス作用があることが、インフルエンザを対象とした研究によって明らかにされていますが、3月末に発表された非公式のデータでは、新型コロナウィルスに対してもその増殖を抑える可能性が指摘されています。
この研究では、医薬品2種と抗酸化作用や免疫賦活作用が知られている栄養素16種、合計18種の成分の持つ抗SARS-CoV-2作用について比較検討しています。 医薬品では、抗ウィルス剤であるレムデシビルと抗マラリア薬のクロロキン。抗ウィルス作用が期待できる栄養成分としては、クルクミン、βグルカン、ケルセチン、ピペリン、ゲニスタイン、リポ酸、レスベラトロール、スルフォラファン、アリシンなど全部で16種について調べています。
その結果は驚くべきもので、EGCGが最も効果的にSARS-CoV-2の増殖を抑制できる可能性を示しており、その働きは2種の医薬品の効果を大きく上回るものでした。 EGCGの抗ウィルス作用については、これまでも数多くの研究報告があります。中でも昨年末に報告された研究では、EGCGの化合物がより効果的にインフルエンザウィルスの増殖を抑える可能性が指摘されています。
COVID-19感染による死亡者数は、日本の場合約90名前後であり、他の先進諸国と比較すると桁違いに少ないことがわかります。なぜこの違いが生まれているのか。生活環境や食生活の違いが指摘されていますが、今回の論文の結果からすると、緑茶を飲む習慣が一役買っていることは間違いなさそうです。